ときどき聞かれるのが、電気工事士の資格を取ったら、すぐに現場の電気工事ができますか?という質問です。正直に言うとすぐにできるほどやさしくはありません。
電気工事の種類によりけりですが、よく聞くのは3年程度で一通りのことを覚えられるようになるといいます。また、木造の住宅工事と鉄筋コンクリートのマンションの工事、大きなビルの工事、工場の工事、さらに電柱などの電線を張り替える外線工事など、それぞれすることが違います。就職した電気工事会社がどのような工事を行うかによって覚える電気工事が異なってくるのです。
さらに建物の電気工事ですと、自分たちの工事だけでなく、建築や他の専門工事の方々との折衝も必要になりますし、それら建築の知識や施工工程についてもよく知る必要があります。単に技術だけでなくコミュニケーション能力やまた建築について知ろうという意欲も重要になってきます。そして建物の規模にもよりますが、大きな建物だと1年近くその建物の電気工事をすることもあります。
でも、そのような工事の最終段階に建物全部に電気がついたり、受電設備のトランスから「ウォン!」と音が鳴った瞬間にこれまでの苦労が報われる、そういった感動もあるといいます。そのような経験ができるようになるには、入り口の電気工事の資格が必要になりますよね。
電気工事士の資格はあくまでも電気工事ができるための最低限の資格です。そこからどうやって自分の技術を伸ばしていくか、自身の仕事に合った研鑽をしていくことはその後も重要になるようです。