コラム

電気工事士技能試験の時間短縮テクニック②

(1)時間短縮より大切なもの
初めて受験者の方は、どうしても「時間内に作業を終わらせないと!」と焦って、最初から時間を測ってしまうこともあると思います。
でも、初めての作業で時間内に作業をしようとすると、焦って作業そのものが雑になってしまうのです。それだけならまだしも、時間に追われる作業ですので確認作業や必要な手順も省略しがちで、ミスが入りやすくなります。
試験本番だと、やはり緊張していますのでそのような練習ばかりですと、焦って時間も足りない、ミスも犯しやすい状態になってしまいます。
最初に目標とすべきなのは、
①安全
次が
②正確さ
になります。そして、不思議に思われますが次に考えたいのが、
③美しさ
です。
え?美しさって試験で見られないんじゃないの?確かにそうなんですが、まず試験官にこの作品を採点してほしいですから、それが見やすい形にすること、さらに自分自身が練習中に行ってきた作品と比較して違和感がないかを確認できる、というメリットがあるんです。それに、電気工事士としての仕事として美しくすることは実際の仕事では思っている以上に重要なことなんです。
例えばマンションの一部屋のコンセント一か所が斜めになっていたせいで、その他100か所のコンセントが曲がっていないかを確認させられることすらある世界です。技能試験でもできる限り美しい作品作りは心掛けたい。

(2)時間短縮は正確さを満足させてから
それで、最初に練習する課題、どの候補問題でも構いませんが、まずは安全に作業するのは当然のこと、正確性と美しさを意識してみてください。それからでも、時間短縮は十分に間に合います。
逆に時間短縮だけを最初に考えて、安全性や正確さ、さらに美しさをおろそかにすると、試験本番にも、そのような作品作りになってしまいます。
私自身、技能試験を指導した際、速く作業ができる人ほど、作品が正確で丁寧でした。このことは、正確さや美しさを維持しながらも十分に時間内で作業ができるということです。
すでに、最初の練習で時間測定をして作業をしてみた?もちろんそれでも良いのですが、一度時間の測定をやめて丁寧に正確に慎重に作ったらどのような作品ができるか、試してみてくださいね。そして、時間内にそのレベルの作品ができるよう、練習していくのです。

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